12 月にワシントン州シアトルを訪れる機会があり、その時にどうしても行きたかったサイダリーである Finnriver Farm & Cidery を訪れることができた。北カリフォルニアで手に入りやすい美味しいサイダー(林檎を発酵させてつくるお酒)はいくつかあり、昨年末に訪れた Lassan Traditional Cider はそのうちの一つであるが、もう一箇所であるこの Finnriver もいつかは行きたいと思っていて今回漸く訪問することができた。

シアトル市内からはおおよそ車で 2 時間。行き方は何種類かあるが、今回は Edmonds から Kingston へ渡るフェリーを利用してみた。フェリーそのものに乗っている時間は 30 分程で、その間は雪山の雄大な景色を楽しむことができた。
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Kingston に着いてから複雑に入り組んだ湾沿いを進み Chimacum の町に到着すると、すぐに Finnriver の目印ともいえるタンクが見え、果樹園兼タップルーム施設に到着。
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タンクの下をくぐり中に入ってみると、施設が広大なことに驚く。
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全体の地図(地図が必要なぐらい大きい!)はこちら。
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タップルーム以外にも屋内のテイスティングスペース、屋外のベンチスペース、ピザ店舗、キッチン、ショップ等々イベントの催しもここでできるくらいの広さがある。まずはタップルームへ。
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この日に繋がっていたのはなんと 18 種類。Golden Russet 種の林檎を使った単一種のサイダー、樽でエイジされたサイダー、カシス等のフルーツと共につくられたサイダー、ラベンダーやローズヒップを使ったボタニカルなサイダー、木の目を使ったサイダー等、サイダーと言っても実に幅広い。

種類が多いので、まずは定番の6種類のフライトを注文してみた。こちらの 2oz (60ml) x5 種類で $10.75。
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左から順番に
  • Golden Russet - ここの果樹園で栽培されているGolden Russet単一種のサイダーで今回の中では一番ドライ。シンプルにこの林檎の種類の味を楽しむことができる。ソーヴィニヨン・ブランにも近い微かなタンニンと果実。
  • Farmstead - 地元でとれる林檎複数種類のブレンド。ブレンド故の複雑さが楽しめる。
  • Fresh Hopped - 果樹園で栽培されているカスケードホップとコメットホップを使用。さらに3日間プラムの皮と共にエイジ。フレッシュホップのアロマと果物のアロマの良いコンビ。
  • Cranberry Rosehip - 6つの中で唯一赤い色のサイダー。クランベリーを使用し、やや甘味とタートさの両方がバランス良い。
  • Forest Ginger - モミの木の枝先と生姜を使用したボタニカルなサイダー。
室内に移動し、もう 1 ラウンド別のフライト。今回はお店の人とじっくり相談しながら選択。
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左から
  • Barrel Aged Keeved Perry - 梨を発酵して作られるお酒であるペリーをバレルエイジ。独特の酸味、深み、やや甘味
  • Tideline - HamaHama Oysterとのコラボで、林檎、クランベリー、モミの木の枝を使用。
  • Black Oak - 林檎とカシスを使用。カシスのフルーツさで始まりタンニンがあって林檎で終わる旅が面白い。
  • Lavendar Black Currant - ラベンダーのフローラルさが映える。サイダーとは?
  • Cider Nouveau - 2024年の初収穫の林檎を使用して作ったフレッシュなサイダー。セミドライで林檎を満喫
この広大な敷地の中で飲む体験が本当に素晴らしい。  
今回は飲めなかったが、スモーキーさが特徴のウィスキー樽でエイジされたサイダーや、オレゴン州のSalt &Straw とのコラボであるカシスと林檎を使ったサイダー Autumn's Blush のアイス等Finnriverの懐の広さには驚く。

一通り飲んだところで、敷地の中を散歩してみることに。12 月ということで日も短く外もやや寒かったので、Mulled Apple Cider (スパイスで味付けされたホットサイダー)を飲みつつ。これは体が温まり最高!
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屋外のベンチスペース。
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果樹園、農園。時期が良ければ各種林檎がなっているのがみれるのだろうか。
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芝生エリアから見たタップルーム。
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季節柄、来ているお客さんはほぼ室内で飲んでいたが、気候のいい季節には人でいっぱいになるのが想像できる素晴らしい解放感溢れる場所だ。

今回は食事はしなかったが、ピザ屋も施設の中にはあり、本格的なピザ窯で焼かれたピザを食べることができる。
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それとは別にキッチンもあり。こちらはサンドイッチやソーセージ等。
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また今回は閉まっていたが季節によっては牡蠣の店もオープンしているらしい。
イベントスペースのクリスマスツリーには林檎のオーナメントが。
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ショップではここのサイダーのボトルはもちろん、各種グッズも購入可能。
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Tシャツのデザインがかわいい。
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なお、今回は参加しなかったが、事前予約にて施設のツアーに参加することも可能。$20 でサイダー6杯のテイスティングが付いた45分のツアーとのこと。

車で2 時間というのはシアトル市内からはやや遠い感じがするが、この素晴らしい景色の中でこんなにも多くの種類のサイダーを飲めることを考えると、訪れる価値がある場所だと思った。たどり着くまでの景色も含めて最高。

Finnriver Farm & Cidery
finnriver.com
124 Center Road, Chimacum, WA 98325



ここまで足を運んだなら、更にここからハイウェイ101を南下し、Hama Hama Oyster Saloon でご飯をたべるのもおすすめ。シアトル市内のシーフードレストランでも提供されるHama Hamaの牡蠣の養殖所の目の前で取れたての牡蠣を食べることができる。今回はOlympia、Blue Pool、Pickering、SummerStoneの4種類の牡蠣をミックス。
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こんな感じでテーブルがセットされている。
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ビールの種類も充実していて、Holy MountainのセゾンとILK Breweryのピルスナーと牡蠣をペアリング。
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Hama Hama Oyster Saloon
hamahamaoysters.com
35846 US-101 Suite B, Lilliwaup, WA 98555